@マークぐるりん | ムサビ通信とアート、経営コンサルタント

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武蔵野美術大学は社会人3年目以降の方へ美術学修士(MFA)大学院を開講

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ムサビ通信を考えている人は、ムサビ大学院も考えてみては?

 

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武蔵野美術大学ホームページより

 

【意外な選択肢】ムサビ通信ではなく、| ムサビ大学院 |武蔵野美術大学は社会人3年目以降の方向けにアートマネジメント系【学位:美術学修士(MFA)】の大学院を開講しています。

 

社会人がクリエイティブリーダーシップを学びたいと考えた際に、選択肢となりうるリカレント教育の場所はどこでしょうか。

 

この場合のクリエイティブリーダーシップというのは、要するに、自分自身が何かモノを作り出すクリエイターになるのではなく、クリエイターを集め配役を決め、マーケティング案件の遂行やデジタルやリアル、メタバースを問わないイベント開催を行っていくようなある種のキュレーションが出来るスキルや考え方のことです。

 

上記の説明ではわかりにくいとも思いますので、具体的なクリエイティブリーダーシップの実例をお話しします。

 

クリエイティブリーダーシップの事例①

www.advertimes.com

自動車の新車販売の協賛キャンペーンでもあった2012年8月に1週間ほど行われたアートイベント「代官山アートストリート」は、「常識に尻を向けろ」というコンセプトの下で、様々なアーティストをオーガナイズし数十のイベント内イベントやパフォーマンスを作り上げたクリエイティブ事例となります。


中には空砲ではありますが大砲によるパフォーマンスもあったので、単なるイベントを企画するだけでなく、警察との折衝や安全管理など、様々な観点からクリエイティブ企画をマネジメントしていく力が求められます。もちろん雑多な感性をどうイベントのテーマとアラインしていくのかという観点も重要です。

 

クリエイティブリーダーシップの事例②

bunshun.jp

 品川区の「same gallery」で2020年7月に開催され、展示されている作品はすべて盗むことができるという謳い文句と、開催後瞬く間に展示作品が盗まれつくしてしまった「盗めるアート展」でもコンセプト企画からキュレーションまで行われた事例です。

 

こちらも盗めるという観点から、警備的な部分、手元に帰ってこない為、アーティストとの権利関係のネゴシエーションなど前述のイベントとはまた違った観点からの企画のオーガナイズが必要です。

 

 

 ムサビについての基礎知識

武蔵野美術大学の大学院には、社会人から進学できるいわゆる「社会人コース」として、造形研究科が存在しています。しかし、この研究科は基本的にクリエイティブでも実際にパフォーマンスをする側(クリエイター、アーティスト、造形作家等)の方がより深く広く学ぶための大学院です。

 

クリエイティブを企画する側、つまり従来は電通や博報堂、そしてその子会社・グループ会社が担ってきており、今は様々な会社や職種で必要になってきているスキルであるクリエイティブリーダーシップ(クリエイティブ作品を作る・表現する側をオーガナイズし一つあるいは複数のクリエイティブ企画へまとめあげる)を学ぶ場所がありませんでした。

 

しかし、2019年市ヶ谷キャンパスにて武蔵野美術大学は造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースを開設しています。これは美術学修士(MFA)の学位取得のためのコースです。

 

ご存じの方は多いかもしれませんが、武蔵野美術大学の本拠地は鷹の台という場所にあり、鷹の台はおおむね東京都西部のJR国分寺駅からバスで数十分の位置にあります。

 

一方で、造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースは、JR市ヶ谷駅徒歩数分という鷹の台キャンパスとは大違いの都心に存在している為、非常に社会人にとってアクセスしやすい場所になっているのです。

 

その為美大とは関わらないままに社会人になり、けれどアートやデザインが仕事で必要になってきたし、深く学びたい方向けであると思います。

 

ビジネス×クリエイティブを標榜したクリエイティブリーダーを養成する為の大学院という位置づけなので、多くはビジネス側でスキルや仕事のキャリアを築いてきた方で新しい領域に踏み出そうという方に必要な選択肢だと思います。

 

電通、博報堂といった日本のクリエイティブを担ってきた広告代理店が相次いでコンサルティング部隊を設立しており、クリエイティブからビジネスの領域へ踏み出してきています。

 

一方でコンサルティングファームの現役社員が実際にムサビの大学院に働きながら進学するというケースも散見されます。これはビジネスの最前線で働いてきたコンサルティングファームの社員にとっても、クリエイティブな素養を身に着けることが大きなチャンスを生む社会に変化してきているということです。

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まさに今、美術学修士(MFA)はビジネス環境で強く求められている素養といえます。

 

 進学中あるいは進学前に考えたいムサビ通信か大学院について【実体験】

改めて、ムサビ通信がおすすめな方と、ムサビ大学院(造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコース)がおすすめな方についてお話させていただきます。

 

まずムサビ通信に通われる方は、何かしらの目的がありますよね。

 

デザインを学びたい、油絵を上達したい。しっかりとした設備を持ったところでないと手掛けられない陶芸などといったジャンルに調整したい、あるいはライフワークとして改めて学んでいきたい。

 

かつての私もデザイン関係の知見を深めていきたいと考えて、門戸を叩いた経緯があります。

 

2018年-2019年に私はムサビ通信に通っておりましたが、結果的に途中で挫折してしまいました。

 

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それについて、弁解の余地は一切ございません。ただ、当時を振り返りいま思えば、求めているものはある程度、得られたものの、講義の質以外の部分で求めていたものを得られなかったことが、挫折の大きな要因であったのだとも思います。

 

ムサビ通信に通う中でコースにもよりますが、引退間近あるいは引退されたお年頃の方や、高卒で大学検定を受けて受講されているという感じの年若い方が多いです。

 

20代、30代は一定数在籍しておられることは分かりますが、案外数字で出てくる以上にすくないように感じられます。

 

1. 武蔵野美術大学大学院クリエイティブリーダーシップコースはどんなところ?

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引用:https://www.musabi.ac.jp/wp-content/uploads/2020/07/pamphlet_2020_cl.pdf

クリエイティブリーダーシップコースは、武蔵野美術大学が2018年に吉祥寺校舎に新設した社会人大学院としての側面もある大学院です。

 

この記事は、主に美大で学ぶ方。かつ、現役のビジネスパーソンを想定しております。特にIT関係などで働いておられる働き盛りのビジネスパーソンです。

 

近年、IT業界はデザイナーの採用をはじめとして、それまでのシステムを構築する。導入する。運用するといったことから離れて、クリエイティブな領域が非常に速い広がりを見せています。

 

武蔵野美術大学はその流れにのることを選び、ビジネスやクリエイティブ、そしてテクノロジーを明確にカリキュラムの領域として掲げた上で、開講した大学院がこのクリエイティブリーダーシップコースとになります。

 

1.1 背景

近年は、デザインがITの世界にかなり親和性をもって登場してきています。

そういわゆる、UIデザインやUXデザインというものです。

 

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UXデザイン、UIデザイン。各IT企業によっても定義は異なります。

元々はAppleのiPhoneやGoogleのAndroidといった携帯端末、スマートフォンに対しての言葉としてよく俎上にあげられておりましたが、近年はIT全般においても使われるようになりました。

 

その証拠というわけでもないのですが、とある数字から面白いことが分かります。

 

日本の美大における最高峰である東京藝大においては、直近五年間の卒業生の進路先をPDF資料で公開しています。

それらを見ていくと、ある事実が浮かび上がってきます。

 

もちろん東京藝大の卒業生なので、読売テレビ放送やフジテレビジョンやNHKアートといったマスコミ関係、電通や博報堂といった広告代理店。

 

はたまた、任天堂やソニーインタラクティブエンタテインメント、スクウェア・エニックスといったゲーム業界が入るのは分かります。

 

また、音校。いわゆる音楽学部側でも名古屋フィルハーモニー交響楽団、サントリーホール、関西フィルハーモニー管弦楽団、東京交響楽団、東京都交響楽団。

 

そういった劇団やコンサートホール関係に就職していくのは想像がつきやすいものです。

 

一方で実は、就職人気ランキング上位のNTTデータやアクセンチュアといった企業に対しても就職者数を積んでいるのです。

 

日本では、まだまだごく少数ながらもIT企業に卒業生を輩出し始めているという点を今回、重点的に掘り下げさせていただければと思います。


1.2 ムサビ通信とムサビ大学院の比較

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立地や施設面ですが、市ヶ谷キャンパスなので、都心市ヶ谷キャンパスはデザインスタジオなど大規模スタジオなどの設備も保持。ムサビ自体の福利厚生も享受できます。

 

人に関しての側面です。30名規模。大学院なので、濃密な人間関係を築けるほか、学生と企業や行政とのコラボレーションを想定したカリキュラムも備えている。比較的同じような指向性、ビジネスに生かすことを前提にした人が多そうな印象です。


私もいまでも交流のあるムサビ通信の同窓生の方はおられますが、かなりバラエティ豊かな人たちがおられ、しかもスクーリング時間は限られたタイミングで、作品完成もしながらとなるとなかなか多くの友人を作り、一緒に作るというのも難しい部分があります。

 

また、大学とビジネスがもちろん直結するというのは、美大の特性としてはあまりないように感じられるかもしれません。

 

ただ、ムサビ大学院の方はまさにいま、具体的な形が存在するプロダクトデザインや建築デザインとはまた別のIT業界において重要視されているUXデザインを始めとするクリエイティブ×ビジネスという潮流に即した大学院になっているように感じられます。

2. IT企業の募集要項

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UI/UXデザイナー採用を増やす人気IT企業



 

2.1 野村総合研究所

 

www.nri.com

 

出典:野村総合研究所

野村総合研究所はUXコンサルティングを製品・サービスとして紹介しています。

 

 

2.2 IBM

www.ibm.com

出典:IBM

IBMではデザイナーとしてのインターンシップを設定しています。

 

 

2.3 アクセンチュア

www.accenture.com

出典:アクセンチュア

アクセンチュアは、UX/UIデザイナーを募集しています。

 

3. まとめ

いま、再び私がムサビ通信か大学院かを選べる余裕があるのであれば、大学院の方を選ぶ可能性が高いかもしれません。

 

今は仕事も忙しくなり、また以前やりたかった分野にチャレンジできているので、優先順位はかなり低くなってしまいましたが、この記事を読んで何かしら質問をしてみたいという方がおられましたら、是非。

 

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