美術入門についての記事の4記事目「日本画 重政啓治 先生」の記事です。
1. 先生について
本記事の導入として、重政啓治 先生についてどんなお人なのか、経歴面から見ていきたいと思います。
大学も藝大だったようで、藝大の「美術学部(いわゆる美校)」の卒業作品中の優秀作品に対して教授会が推薦し授与されるサロン・ド・プランタン賞を受賞しています。
ムサビ通信への着任は2001年4月のようです。
講義が終わった後も、講義室の扉を自ら開けてくださっていました。
重政啓治先生の講義は下記の四本立てで行われました。
1 日本画の用具と日本画絵具
2 西洋の様と東洋の様
3 日本の画面と日本絵画
その他 中国絵画と日本の版画、現代の日本画、番外編
やはり、「日本画」というところで、どうしてもある種の「西洋画-油絵」との違いがどこにあるのか、どのような方向性を目指すのかで異なってくるのかなという印象でした。
1.2 講義詳細
ここからは講義ノートでメモした先生の講義のメイントピックを取り上げていきます。
〇作家「重政啓治」の創作理念
講義の中で、様々な日本画の紹介をされていて、ただその中で心持ちですが情感の籠った語り口で述べていたのが次のような言葉でした。
「日本の文化は、熟成させるうまさがある。唐絵や大和絵などの用語もあるが、その時代時代で他からの影響を受けるが、それをうまく受容し、昇華させて自分自身のオリジナルの文化に変化させる強さがある」
〇西洋の様と東洋の様
このパートでのお話は西と東のキャンパスサイズの違いから始まりました。日本と西洋のキャンパスサイズが長手といわれる長辺は同じ長さなのですが、短手と呼ばれる短辺はサイズが異なるようです。
これは寸への変換時に無理やり四捨五入なりした為のようですが、ここからも日本では長辺と短辺の比率。形にはこだわっていなかったという話が少し見えてきます。
さらに続けて話されていたのが日本は木造建築に対して、西洋は石造り建築であり、つまり数十年に一度壊れ、再生する日本の建築と同じものが下手すると数百年のこる西洋での感覚の差異。
建築から受ける美意識について触れられていました。
そして、美の様態のまとめとして、日本と西洋の差異について、「カタチを作り出す」のかそれとも「カタチを写し取る」のかそういった差異があるのではないかと述べられていました。
〇重政先生のおすすめ作品
工藤甲人 「雲」
キョウノドウキ2018展 三鷹市美術ギャラリー