@マークぐるりん

外資系ITコンサルタントをしつつ武蔵野美術大学通信課程に通う記録

2018-Pe-22. 三浦明範先生の【美術入門】は油画・日本画・版画の違いから、北欧ルネサンスまでウィットな講義

油絵 三浦明範 先生

美術入門についての記事の1記事目「油絵 三浦明範 先生」の記事です。

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1. 先生について

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本記事の導入として、三浦明範先生についてどんなお人なのか、経歴面から見ていきたいと思います。

 

先生は1953年秋田県生まれで東京学芸大学を卒業されています。

 

また、ブリュッセルやゲントなどで個展を開かれている他、北京ビエンナーレにも出展されておられます。

1.1 講義概要

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私見ですが髪型が特徴的で、古き良き昭和を感じる髪型です。

そして、話も非常にわかりやすくおもしろいです。

 

 

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三浦先生の講義はまず絵画のジャンルについての解説でした。

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①油絵
幕末の頃、司馬江漢や平賀厳愛らが油絵を描いたが、明治以降フォンタネージらによって本格的に西洋美術教育が開始され、西洋画または洋画と称したが、今日的には油彩画、油画とも表す。

 

Note

この講義中で繰り返しでてくるヤン・ファン・エイクの名前が初登場。

「アルノルフィーニ夫妻像」でテンペラから油彩絵具へ本格的に切り替えて利用法を完成させた人と言われているそうです。

 

日本画
フェノロサが1882年に公園で「Japanese Painting」と評した言葉の翻訳であり、岡倉天心東京美術学校(後の東京藝術大学)に「日本画科」を設けた。

 

Note

 2人目の吉川先生の講義ではどろどろした事情の岡倉天心が出てきますが、ここではさらっとした説明でした。

 

③版画
日本の場合、浮世絵版画は絵師、堀氏、刷師の分業。山本鼎は石井伯伝、森田恒友らと1907年に「創作版画」を提唱していて、作家が自画自刻、自刷のすべての工程を1人で行うというもの。

 

Note
ヨーロッパでは近年まで、印刷の一部であったので、版画は結構日本がリードしている部分もあるそう。

 

④まとめ

「Hey, siri 絵が上手くなる方法」→「いっぱい描いてください」

 
 つづいて、「世にも奇妙な絵の話」という題名で三浦先生ワールドが展開されました。
 
 

1.2 講義詳細 

美術入門の講義詳細

ここからは講義ノートでメモした先生の講義のメイントピックを取り上げていきます。

 

世にも奇妙な絵の話 No.1 「日本の絵画に陰影がないのはなぜ?」

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〇前提1 日本の緯度の話
この話の中で、まずはじめにスライドに登場したのは世界地図でした。Google Earth 上で日本の地図が示されました。
 
それをずいっと、スライド上でヨーロッパに持っていきますとなかなか興味深い事実がわかります。同緯度のヨーロッパと比較すると、日本は実はアフリカに近しいということです。
 
北海道でさえ、北イタリアの辺りでドイツや北欧は日本よりもかなり高緯度ということになります。
 
その事実を受講生に認識させたあと、三浦先生は「イタリアルネサンス」「北方ルネサンス」で著名な作品を表示して見比べさせます。

 

〇前提2 北方ルネサンスとイタリアルネサンス
 
【イタリアルネサンスフランジェリコの受胎告知 
⇒色鮮やかだが陰影はあまりなく、どちらかというとのっぺりしている
 
【北方ルネサンス】ヤンファンエイクの受胎告知 
⇒色の多彩さはないが陰影はあり、かなり写実的
 
 
これらを比較することによって、北イタリアよりもさらに低緯度に位置する日本の絵画表現(特に浮世絵)が、陰影がなく写実的な描写よりも、色彩鮮やかな描写傾向にあることのひとつの根拠としていました。
 
つづいて、前提となる話がつづきますが絵画の世界ではなく視神経の話にシフトします。
 
〇前提3 錐体細胞
ここからいきなり視神経の話になります。眼球の構造図、生物の教科書にのっているような図が示されてその中でも下記の二つの用語についての解説が入りました。
 
桿体細胞ー暗いところで「明暗」を感じる細胞
錐体細胞ー明るいところで「色彩」を感じる細胞
 
どこか、似ている、あるいは類似していることがあると思いませんか?
 
北方ルネサンスとイタリアルネサンスの見方とたしかに似通った部分があるという三浦先生の独特の論理展開でした。
 
さらに前提1-3を受けて、下記のような論理展開をされています。
 
〇まとめ 日本の絵画に陰影がない理由
ここまでの話を受けて、なるほどなと確かに思いつつも体系化できていない部分があったので、図案化してみました。
 

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 「桿体細胞」的見方・・・色はよくわからないが、各対象は存在する→色彩は本質ではない→明暗が大事
 「錐体細胞」的見方・・・陰影は時間と共に変化するが、各対象自体は変化しない→陰影は本質的ではない→色彩が大事
 
 〇西洋の表現
  色彩は装飾的・・・明暗こそ本質 「存在」を本質として捉えた表現
 
 〇日本の表現
  陰影は移ろう・・・色彩こそ本質 「固有色」を本質として捉えた表現
 
かなりボリューミーな講義だったので、三浦先生のお話はいったん区切りとします。
後日また、他の先生方については記載させていただきます。
 
 

2.1個別の先生の講義ノート

三浦先生の講義は流石に大御所、ベテランという風格で非常に為になるかつ飽きさせない面白さなのですが、ぜひ他の先生方の講義もご覧いただければ幸いです。

 

 


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1.油絵:三浦明範先生の記事はこちら

2.油絵:吉川民仁先生の記事はこちら

3.版画:元田久治先生の記事はこちら


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4.日本画:重政啓治先生の記事はこちら

5.まとめの記事はこちら

 

3.まとめ

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三浦先生は絵画コースのコース長だったりもしており、非常に明朗でわかりやすく興味をひくお話をしてくださいました。

 

美術の導入として、非常に有益です。