虹色宝石譚の制作も2020年10月で準備期間も含めると丸二周年を迎えます。短編ベースでの作品を夏コミや冬コミにて発表させていただいておりますが、今年の冬か来年の春にはなんらかの新しいお便りを出せる見込みです。
今日はそんな裏側の一幕をお見せしようかと思い筆をとらせていただきました。
今回紹介するのは虹色宝石譚を作る際に、どういう風に時短で作っているか、基本的な部分を支える演出の仕組みです。
1. ティラノスクリプトとJavaScriptを併用した基本演出プランについて
シナリオの記載方式は例えば下記のような形になっています。
;* 【視差効果演出】
;*----------------*
;* 二人並んで表示
;* 左枠で店主、右枠で白蛇をゆっくりスライド
;*----------------*
;* 左枠:人=「店主」背景=「洋室」
;* 右枠:人=「白蛇」背景=「洋室」
[parallax04 ch1="店主_素" bg1="洋室1" ch2="白蛇_素_全身" bg2="洋室2" opa1=255 opa2=255]
1.1 虹色宝石譚で演出プラットフォームを構築した背景
虹色宝石譚では、プロローグの制作にそれなりの時間おおよそ5か月間ほどの時間がかかっていて、しかも当時スクリプト関係に手厚く五名規模でかかってそういう時間がかかっていました。
コロナの影響、それから社会人を主体として制作を進めていくというチーム構成である以上、定期的に試験や国内または海外出張、それから家庭事情などで半年、長ければ一年程度は活動できないメンバが出てくることは予想されていた為、効率化を求めざるを得ない状況でした。
演出を効率化するうえでの仕組みづくりとしては、様々なサークルさんで行われていると思います。
私たちのなかでちょうどいい塩梅だったのがこういう仕組みというわけなので、もし参考になったり、うちはこういう仕組みをしているよというご意見がありましたら、是非サークルの方へご意見などお寄せいただけますと幸いです。
1.2 虹色宝石譚で演出プラットフォームを構築したメリット
続けましては、メリットです。
これは大きく二つあり、一つ目は演出パターンの変更が簡単になった事です。左と右に二分割して、キャラクターが上下するような演出パターンから、上下分割で左右に移動するパターンへ変更したい場合。虹色宝石譚ではすでに演出プラットフォームが出来上がっている為、数秒で変更が完了します。
それこそ、ある意味でティラノスクリプトであるけれど、ティラノビルダーレベルで簡易に、けれど自分たちが構築しているのでより繊細に、柔軟に変更が効くような仕組みづくり。
それがひとつの狙いだったこともあり、十全なメリットを享受できていると思います。
もう一つのメリットは予想外の効果を生むという事です。動きを見なくても、パターンに従ってシナリオに簡易に追記していくだけで出来るようになったのですが、その結果改めて流してみると予想外の動きをしているなんてこともありえます。
大きな画面作りの仕組みについて今回はお話させていただいていますが、実は細かい画面作りの仕組みもあります。
それらがハマるといい塩梅で笑えるような画面構成になったりするので、予期せぬ、人間が頭の中で考えていた事とは異なる意外なけれど再現性のある結果が出るのはなかなか興味深いです。
中には利用できるなと考えて、パターンに取り込んだものもあります。
1.3 虹色宝石譚で演出プラットフォームを構築したデメリット
便利な仕組みではありますが、演出プラットフォームにも工数、時間を割かなければならない作業があります。それはいわゆる辞書登録作業です。
基本的に演出パターン×日本語指定で対応しているので、それらの項目をキーとして登録してあげなければなりません。
正確には演出パターンの名前、日本語の命名、それから具体的な素材ファイル名です。
これらを正確に登録してあげないと、Javascriptが走った結果取得してくるファイルが変なことになるので、気を付けて登録する必要があります。
1.4 演出の仕組みを支えるツール
ツールというほどのツールではありませんが、辞書登録の大変さを先ほどの章で語りました。
けれど、実際の所それほど難しくはありません。というのも、素材登録の際には、オートモードか早送りモードで一度、第一段階のスクリプトを書いたシナリオを流し切るだけでいいからです。
その結果、一つのファイルを出力するような仕組みを用いています。
そこには、すでにパターン名と日本語指定名が書かれているので、あとはどの素材かを描き込んでupdateしてあげればそれだけで実はデメリット部分として挙げさせていただいた辞書登録も終わってしまいます。
3. まとめ
今回は美術館や博物館の中にあるレストラン、カフェといったところを紹介させていただきました。
進捗などについては公式ページがありますので、こちらではまたなにか裏側の話を次回ご紹介させていただければなと思います。
それでは、またどこかで。