男性×化粧。 この二つの単語の組み合わせを見た時、2020年代初頭の日本の方の反応は大きく二つに分かれるかもしれません。
片方は、男性が化粧をするのは歌舞伎役者とかそういう芸能関係だけで、ありえないという方々。
それから、スキンケアなどを含めた健康意識が高い、あるいは美意識が高いという風に好意的にとらえる方々。
【記事】男性のメイクがWeb会議に与える影響は?資生堂が検証実験
資生堂の数あるブランドの一つである「ウーノ」。これはヘアワックスなども発売している為、見たことのある方も多いかもしれません。
コンセプトに【大人自在。UNO】を掲げており、もう資生堂のサイト内にはもう少し詳しく記載があります。
大人の男を楽しもうですとか、オンオフを自在に切り替えてというものですね。
これらは一見すると、かなり当たり障りのない、あるいは耳障りのいい言葉を連ねているだけのようにも感じますが、まだ大手化粧品メーカーの資生堂と言えど、大多数の日本人向けに訴求するコアバリューのようなものを突き詰められていないのかもしれません。
だからなのか、このリモートワークが真っ盛りの期間を利用してか男性×化粧の心理実験をSOOTHというエクスペリエンスデザインを得意とする企業と組んで2020年9月1日に発表しました。
ちなみにSOOTHという企業は「生体反応データ」とクリエイティブを掛け合わせるExperience Designに特化した体験やサービスのコンサルティングなどを行っている会社のようです。
会社の事例紹介をみると、近年隆盛著しいスマート家電やスマートスピーカー、あるいはスマートミラーなんかをひっくるめたスマートホーム。
そのスマートホーム内での生活に関するリサーチ結果を博報堂DYメディアパートナーと組んで発表していたりしています。
「生体反応データ」。つまり、今回でいうと化粧をすることによる画面映え、それによって変化する受け手の反応、ひいては心理的な影響ですよね。
1. 資生堂の「男性×化粧」の心理実験内容
実験では、肌つややリップを整えたりした「男性メイク」の方々と、対象群として男性メイクをいっさいしていない「すっぴん」の方々で、心理効果の差異を検証しています。
また、測定対象はインタビュイー(インタビューを受ける側)とインタビュアー(インタビューを行う側)の双方の心理です。
1.1 心理実験の結果
実験結果を要約すると大きく下記の形のようです。
インタビュイー側:自信を持って話ができた。満足度が高かった
インタビュアー側:相手側がメイクをしていた方がリラックスできた
1.2 資生堂と男性メイク
資生堂は近年、男性メイクの領域に力を入れているようです。
2019年には、スキンケアやメイクアップ講習を抗がん剤で髪の毛や肌がボロボロになった、あるいはなる恐れのある男性がん患者向けに執り行っています。
その他上記に記載した「ウーノ」から2020年7月には初めて化粧品を買うような男性をターゲットにしたメイクボックスなども販売しています。
3. まとめ
男性の化粧ということで思い出すのは、イタリアが舞台の漫画「ガンスリンガーガール」に出てくる工作員のお話です。
彼は、ロッサーナ(コードネーム:赤い髪の女性)という師匠から工作員としての技術や知識をたたき込まれていて、化粧もお手の物でした。
彼は北部の人間なので、南部のシチリアなどで現地に紛れ込む際には、ファンデーションで肌色を変えたりそんな小技を駆使したりもしていたようです。