レストランの中には、お店としてのコンセプト。あるいはオーナーシェフの拘りの下で、選び抜いたその方の趣味の作品、あるいはそもそも芸術家その人に所縁のあるレストランなんかもあったりします。
文豪が愛したレストランや料亭という類のものはよく記事などでも取り上げられるケースがございますが、アーティストや芸術家の愛したレストラン、あるいは所縁のあるレストン。
そういったジャンルのレストランについてはなかなか紹介されない傾向にあるので、集めてみました。この記事で紹介するレストランで素敵なグルメやアート体験に寄与させていただけたら幸いです。
今回紹介するのは芸術作品が飾ってあるレストランさんです。
前回の美術館併設レストラン記事も併せてご確認あれ
目次
1. 芸術家が愛したレストラン、あるいは所縁のある場所情報
芸術家となにかしら縁のあるレストランシリーズです。
1.1 割烹 中嶋 (銀座)
昭和六年に創業した和風割烹からはじめさせていただきます。
こちらは芸術家に所縁ある割烹というやつですね。
関係する芸術家の方は陶芸に名高い北大路魯山人さんです。
魯山人さんから譲り受けた器で、お料理を頂けます
星ヶ岡茶寮というものをご存知でしょうか。こちらも北大路魯山人さんに所縁のある料亭です。この星が岡茶寮で初代料理長を務めていた方が、この料亭の創業者です。
現在の永田町近く。日枝神社の境内に属した小高い丘が夜に星をよくみることが出来た為、星が丘と。さらにそんな場所だからこそ、岩倉遣欧使節団の岩倉具視に創設者が提議したりして創立された歴史の生き字引でもある料亭ですね。
日枝神社はちなみに、特に浅草寺の三社祭なんかで有名な江戸三大祭のひとつでもある山王祭の神社です。
その歴史ある料亭も大正時代には経営不振になり、関東大震災後に北大路魯山人さんに貸し出されたという経緯で関わってきます。
ちなみに、現在の星が岡という名前は「ザ・キャピトルホテル 東急」の中華料理レストランに受け継がれているそうです。
個人的に非常に気になるのは「いちじくのふろふき」です。
◆URL
割烹 中嶋
1.2 フランス料理 アピシウス(日比谷)
基本的にこちらのお店はスマートカジュアル以上の服装をもって挑むべき場所です。
ジャケットは必須ですね。
お店の特徴としては、カーヴに眠るワインの本数でしょうか。その数はなんと約40000本!
ミシュラン未掲載のグランメゾンであり、東京フレンチの老舗でもあります。
こちらの芸術要素としては、シャガールなど印象派の名画が店内に飾られている点です。
グランメゾンとは、非日常的な空間と申します。素晴らしいワイン、ハイクオリティな磨き抜かれたサービス。そして、もちろん料理。そして空間そのものを彩る絵画。
アピシウスは、地下へ降りる階段から世界観が始まっていきます。
そして予約をしていてもすぐに座席に案内されるわけではありません。まずはバー・スペースでの空間が提供され、そして食事の最後を飾るカフェまで。
そんな空間自体を楽しまれてみては。
◆URL
フランス料理 アピシウス(日比谷)
1.3 フランス料理 ロアラブッシュ(表参道)
幻想的なアール・デコの作品は、芸術家エルテの作。渋谷四丁目という閑静な住宅街に佇むその建物は、中に息づく料理の繊細さと、そして展示される美術品からまさに小さな美術館のよう。
アンティークな調度品も必見です。また、こちらのレストランさんはメンバーズラウンジを営業しており、そちらは当然と言いますかメンバーズ会員にならないと入れないラウンジです。
レストラン利用の際には、特にメンバーズクラブに入る必要はなさそうですが、もし興味がある方はスタッフの方に尋ねてみればよいそうです。
◆URL
フランス料理 ロアラブッシュ(表参道)
1.4 壹眞(かづま)珈琲店(銀座)
銀座には三店舗存在し、神保町のレトロでアンティークな雰囲気とは少し異なり、銀座シックスの近くにある中央通り店では古民家を改装したが故の独特の味わいの空間で、マイセンの名陶器を愛でながら、コーヒーやケーキを頂く。
最も大きな晴海通り店は、今現在も通っているかは不明なものの、北野武さん行きつけの喫茶店です。ちなみに銀座の中でも三店舗ありますが、北野武さんは常連である為か、晴海通り店だけでなく各店舗でアーティストでもある彼の作品を間近に鑑賞できたりもします。
マイセンもこの珈琲店の世界観構築に大きな役割を果たしており、店舗によっては200-300年前のアンティークマイセンを観賞することもできます。
■URL
壹眞(かづま)珈琲店(銀座)
3. まとめ
アンティーク作品や絵画を眺めながら、ゆったりと午後のコーヒーの時間を楽しむ。そんなちょっとした贅沢な時間。
それを実現せしめるお店たちを紹介させていただきました。
東京の各所に点在するこれらのカフェや喫茶店、レストラン。芸術の秋にどれかに出かけてみてはいかがでしょうか。
それでは、またどこかで。