黒豆黒茶。カフェインが猛烈に含まれており、トクホの商品とそうではない商品が併存している不思議な商品。
社会人になって以降、愛飲するカルピス(当時)が発売していたダイエットというよりか健康的な身体を作ろうという目的をうたっていた飲料です。
現在はカルピス社が味の素グループからアサヒ飲料グループの傘下に入った事で、
親元のアサヒ飲料名義で現在は生産されている商品となりました。
※カルピスが乳製品を全面に押し出すブランド戦略をとっている為、
【日経】2012 /5/8付 食品ブランド「選択と集中」 アサヒ、カルピス買収
https://www.nikkei.com/article/DGXNASGD08063_Y2A500C1NN8000/
さて、ここで「黒豆黒茶」という検索ワードを利用して、Amazon.jpで検索するとどういった検索結果がでることになるでしょうか。
結果は下記となりました。
🄫Amazon Japan . Serach Key = '黒豆黒茶' Searched by 2018/02/04
【検索結果】
[トクホ] カルピス 健茶王黒豆黒茶 お茶 ペットボトル 350ml×24本
アサヒ飲料 黒豆黒茶 500ml×24本
カルピス 黒豆黒茶 500mlペット×24本
黒豆黒茶が商品名の一部に包含される商品が少なくとも3種類並んでいることがわかります。
これらのページに遷移して、商品情報を確認してみます。
ASIN |
B00I59TZ1S |
ASIN |
B00DMCFLT8 |
ASIN |
B005NF4454 |
ここで注目するべき要素はいろいろとあるのですが、何故買収前のカルピスの名前と買収後のアサヒ飲料の名前が出ている商品があるのか?
IT界隈の勤め人としてなるほどなーと思った原因は、ASINコードです。
Amazon Standard Identification Number. ASINとは、米アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)が策定した商品識別用の10けたのコード。 ASINコードとも呼ぶ。 アマゾン・グループが取り扱う、書籍以外の商品を識別するのに用いられる。
3つの商品共にASINコードは全くの別物でした。つまり、Amazonとしては別の商品として取り扱われているということですね。
もう少し掘り下げます。
健茶王およびアサヒ飲料が名称に含まれている黒豆黒茶についてはAmazonになっておりました。
ただし、カルピスの名前が頭に入っている商品だけ、販売元がパワーズ社となっているという違いが見えます。
あえて誤解を恐れずにストレートに表現すると前者2商品がある種のAmazon公式販売品の為、タイムリーにカルピスからアサヒ飲料へと変更依頼等が上がり変更されたということです。
一方で後者はメーカーではなく、販売会社の出品の為、メーカー側からの商品情報の修正要望がAmazonへ上がっていないのではないかと想定されます。
ASINコードは何か分かったという所で、次はJANコードについて学んでみましょう。
JANコードは普段の生活の中でASINコードとは比較にならならいくらい見かけていると思います。
赤枠で囲った「4901340171121」これがJANコードです。
Amazon以外の一般的な小売関係のシステムではJANコードをKEY情報(=それが何であるかを特定するための情報。アメリカドラマだと人間の特定に社会保障番号が使われ、日本でもマイナンバーが該当)として保持するケースが多いです。
JANコードの説明は以下に詳しいです。
JANコードは「どの事業者の、どの商品か」を表す、世界共通の商品識別番号です。
JANコードは、商品のブランドを持つ事業者が、当センターから貸与されたGS1事業者コードを用いて、商品ごとに設定します。
通常、バーコードスキャナで読み取れるように、JANシンボルというバーコードシンボルによって商品パッケージに表示されます。
アサヒ飲料のHPではJAN商品とそれに紐づくJANコード、容量、入数、希望小売価格や自動販売機で取り扱っているかどうかなどの情報を公表しているので、自動販売機ファンの方やJANコードマニアの方にはよいサイトかもしれませんね。
【アサヒ飲料】https://www.asahiinryo.co.jp/products/list/jan/0003.html
アサヒ飲料HPより抜粋
しかし、ここで問題があるのです。
黒豆黒茶。健茶王についてはJANコードが明記されていますが、個人的にこよなく愛する黒豆黒茶のノーマル版について商品リストに載っていないのです。
健茶王 【49-01340-22582-4】
黒豆黒茶【49-01340-17112-1】
ちなみにこのJANコード。不自然な区切られ方をしている事に見える方もおられるかもしれません。
この区切り方には実は意味があるのです。
49 = 日本
4901340 = カルピス株式会社
5桁数字 = 無作為連番
最終1桁 = チェックデジット
日本の国コード
日本の国コードは、「49」と「45」の2種類があります。
日本の国コードは、当初「49」のみでしたが、登録事業者(企業)の増加により、「49」のみではJANコードの使用を希望するすべてに事業者(企業)に対してGS1事業者コード(JAN企業コード)を設定することが難しくなってきました。
このため、 1995年5月以降に新規にGS1事業者コード(JAN企業コード)の登録申請を行った企業には、国コード「45」のGS1事業者コード(JAN企業コード)が貸与されています。
JANコードの体系
JANコードには、標準タイプ(13桁)と短縮タイプ(8桁)の2つの種類があります。
標準タイプ(13桁)は、GTIN-13、短縮タイプ(8桁)はGTIN-8と呼ばれることもあります。
JANコード標準タイプ(13桁)は、①GS1事業者コード(9桁または7桁)、②商品アイテムコード(3桁または5桁)、③チェックデジット(1桁)で構成されています。
「一般財団法人 流通システム開発センター 」サイトより
健茶王 【49-01340-22582-4】 ⇒約2,040件
黒豆黒茶【49-01340-17112-1】 ⇒約92件
残念なことに、ノーマル黒豆黒茶はアサヒ飲料の公式HPにも載らず、カルピスのHPにも載らず、アスクルなどの通販サイトに細々と生きながらえる状態です。
健茶王がある以上、ノーマル品と両方プロモーションするのは戦略的に食い合って意味がないとう判断かもしれませんが、個人的に月4ダースのノーマル黒豆黒茶を購入している身としては残念な思いを抱きます。
以上、JANから見えるマイナー商品の行方でした。